道内に三十四ある天狗岳(山)の中で大天狗と付くのは神恵内村の大天狗山と小平町の大天狗岳のみでどちらも人前には滅多に姿を見せぬ山である。
大天狗岳の割には標高が567mで展望は如何なものかと思うが幾ばくかの期待を持って出かけてみる。
札幌から高速を使って2時間で到着、おびらしべ湖のパーキングで身支度する。
改造した保冷車で旅するご夫婦がいて奥さんがこのダム湖に沈んだ農家の出身とか、どうりで天狗山や大天狗岳などマイナーな山を知ってる訳だ。
さて鍵の掛かったゲートをテクテク出発し、道の崩壊を見ながら順調に終端から入渓する。
少し水が濁っているが段差の滝を超えると滑が出始め、185m二股のしっとりした滑の出合いにうっとりする。
どうやら岩盤の山だったらしく滑が続いて嬉しいがスパイク足袋が滑ってひいこらする。
やがて沢を10m程の高さの岩盤が塞ぎ、右から巻いて登ると後方に風景が広がっていた。
山頂稜線には登れそうもない岩の側壁が連なるがうまい具合に岩と植生の境に出たようだ。
木を伝って稜線に出ると背丈の笹で、足元に崖を垣間見ながらピークを目指す。
藪は距離にして300m程で30分もあればと思ったが蔦が絡んで小一時間要して山頂に到着、予想通りの展望である。
下の写真は稜線下の岩場からで辿った沢筋の向こうに小平蘂山や三頭山など天塩山地の連なりが見えていた。
ボリボリを採りながら下山すると先程の夫婦が連泊すると言う。
時間の物差しが違うのかゆったりしたライフスタイルが印象的である。
<2014年の 積丹・大天狗山 はこちら>