頂白山は仁木町にある今ではすっかりツアースキーで有名になった大黒山から北へ4km程に位置する三等三角点の山である。
大黒山への行き帰りすっと立った白い山容が印象的で名前の由来も概ねそんなところと思われる。
残雪を踏んでその内にと思っていたが登山路があるのを知り、天狗〜丸山縦走の帰りに寄ってみることにした。
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フルーツ街道から大黒山に入る林道を辿れば良いのかと思ったら一つ隣にこの山の林道が延びていた。
ただ道路脇に農家があって気が引け、たまたま中間に広場があったので車を止めそこから出発する。
林道には早々と「熊注意」の立て看板があり、道脇にはエゾノコンギクがちらほら咲いていた。
沢から流れ込む水で少しじめじめしていたが、やがて落ち葉を踏みしめ秋色に染まった気持ちの良い道が続く。
たわわになった山葡萄が頭上に実り、
取り易い所は登山者が?と思ったら熊の足跡と食べ残した葡萄の房が落ちていた。
霜が降りた後でとても甘酸っぱく、そして甘いコクワの実を頬張りながら歩く。
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紅葉は終わりかけていたが柔らかな黄色が何とも言えない。
時々、木々の間に凡々とした山頂の一角を望み、山葡萄に一喜一憂しながら緩やかな道を登ってゆく。
林道がカクンと鋭角的に折れ曲がると細くなり、踏み固められた地面に苔が生えて良く滑る。
やがて山頂を含め三つのポコに囲まれた土場の様な鞍部に出る。
そこから先は少し草が被るが藪と言うほどでもなく、
道が二手に分かれて右に行くと丸く刈り払われた山頂だった。
三等三角点「毛無山」の傍らに最近見掛けなくなった山頂標識が転がっている。
雲が広がって一雨きそうな空按配だったが、すすき越にシリパ岬と余市の街並みが望まれた。
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少し戻った分岐から南西陵の最高点480mに行ってみる。
踏み跡よりは少しましな程度の道を辿ると葉の落ちた潅木越しに展望が広がり、
突端の岩場からは高度感ある景色が楽しめた。
余市川に沿った狭い平地に集落が点在し、背後に黄金色に染まる然別山と薄っすら八内岳も望まれる。
どっしりした大黒山の渋い色合いは見事だったが晩秋の寂しさを漂わせていた。
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<一山目の 小樽天狗山〜於古発山〜遠藤山〜塩谷丸山 はこちら>