知西別川〜羅臼湖 沢登り  地図はこちら  ■Home
2007年8月中旬 曇り後晴れ
作業道終点5:15→c78入渓5:25→羅臼湖(11:16-11:57)→知床横断道路12:43 (休憩含)

入渓してすぐ楽しいヘツリが連続する        知西別湖からの沢を過ぎた本流を遡る         ジャンプの滝は右岸の滑部分をスタスタ登る         
この川は途中にある柱状節理が有名で詰めると秘境の羅臼湖に出るのが魅力的である。 以前より行きたくてうずうずしてた沢だが雪解けや知床の寒さを考えれば適期は7-8月に限られそうだ。 今夏の知床遠征第2弾として1日目:知西別川、2日目:斜里岳二の沢の予定を組んだが少し欲張り過ぎだったかも知れない。

金曜の夜8時半に3名で札幌を出発し待ち合わせの知床峠には午前3時に到着した。 北見のKさんは既に車内で睡眠中で外で用を足すと降り注ぐばかりの星が空を飾り羅臼岳の黒いシルエットが漆黒の闇に浮かんでいた。 4時行動開始まで僅か1時間足らずだが少しでも寝ないといけない。 それにしてもこの寒さは何だ!先週とは大違いに身震いし急いで車に戻った。
1台を横断道路の登山路近傍に停め羅臼町から少し南下した知西別橋の左岸にある終端広場に車を置き身支度を整える。 そこから古い作業道を歩き笹藪の被った廃道を進むと大きな砂防ダムの上流にある広い川原に出た。 ショートカットしながら川原を淡々と歩くと早くも茶色の滑床となり逸る気持ちを抑えるのに精一杯だ。 砂防ダムを右岸から越えると急に川幅が狭まってゴルジュとなり深い淵をへつりで通過する。 すぐさま知西別湖から流れる落差のある滝が左から入り本流も釜持ち5mの滝となって合流している。 左の滝にはロープが下がり折角だから湖まで行って見たかったが今回はパスし釜をへつって直登する。 深い淀みにオショロコマの群れを見つけては歩みを止め、滑に付いた緑の苔が鮮やかで明るい沢の遡行は楽しい。 足元がつるつるに磨かれた淵のへつりは微妙な傾斜に耐えて抜けその後もへつりは数え切れない程出てくる。 ゴルジュ地形が暫く続き次は何が出てくるのかと期待と興奮で一杯だ。
     
見せ場の一つ柱状節理の滑滝が始まった         足元は敷き詰められた柱状節理の断面である     節理の上部は曲って複雑な模様をしている
3時間弱でc250二股を過ぎると次の滝印は2m・6mの斜瀑で左から支流が8mの滝となって合流する。 ここは滝の右側に水流が集中し中間の一箇所で水が勢い良くジャンプしているがその上は簡単に行けそうだった。 試しにジャンプ台に片足を置こうとすると全身に水飛沫を浴び諦めて皆に倣って左岸から直登した。
この辺りから川幅一杯の大きな滑が始まり行けどもまるでカウンナイのような長い滑と小滝が現れる。 ふと左岸の崖を見ると斜めに走った柱状節理が滑に突き刺さり実は歩いてる滑床も柱状節理の断面だったことに気が付いた。 全く見事な光景である!崖上の柱状節理は褶曲されてカーブ模様を描き傍らに落ちている石は計ったように六角柱だった。 軽いものなら一つくらいお土産に持って帰りたいほどだが拾ってみるとマジで重い。 メンバー全員が嬉々として6m程ある柱状節理の滝を登るこの辺がこの沢のクライマッックスだろうか?
滑が終わりc365二股で右から滝6mが合流すると一気に巨岩のゴーロ帯に姿を変える。 人の背の倍もある大岩がゴロゴロ転がっている中を登っていくのは大いに疲れた。 c500で再び滑となるがすぐ巨岩帯に戻りc640の釜持ち二段の滝3m・5mは右岸を高巻きc680の滝6mは右岸の雪渓脇から高巻くと大きな滝は終了する。 その後に釜をへつって小滝を登ること2-3回繰り返すと水が温く濁って湖が近いのを窺わせる。
視界が開けるとガスに包まれ真っ白な羅臼湖に到着した。 水の中は底が黒っぽい岩だったり砂地だったり歩き難く展望台まで僅かな距離に40分程掛かった。 ガスの中に薄っすら羅臼岳が見えた様な気がしたが直ぐ隠れてしまう。 しかし歩いてる内に青空が広がり知西別岳と天頂山がそれぞれスッキリ顔を出してくれ何とも幸せな気分に浸れた。 展望台から横断道路まで五の沼から一の沼まで初めて見る沼巡りも楽しめたが道は一部に木道が敷かれているものの泥で悪い。 車の騒音が聞こえて間も無くデポ車が目に止まり7時間半の遡行に終止符を打った。 期待通りの名渓に大満足しました!! この後2台に分乗し養老牛のカラマツの湯に浸かって明日の遡行に備え西別小屋へ移動した。
     
巨岩越えもそろそろ終わりに近づく       終着は近いが嬉しいことにまた滝が現れる         最後に羅臼湖の原始風景を満喫する

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