東広尾川北面直登沢〜美幌岳 1120.9m (広尾町・えりも町)  地図はこちら  ■Home
2012年7月23日 晴れ時々曇り メンバー4名
4:20最終砂防林道C0→(9:00-9:20)美幌岳→11:55林道

美幌岳とは楽古岳と豊似岳の中間にある1120m無名峰の通称で この山より美幌川が流れることにより呼ばれるようになったと思われる。 天馬街道を越え広尾町に向かうと青空の下に北海道の脊梁といわれる日高山脈の山々が望まれ登行意欲が湧いてくる。 もっともこの辺りまで来ると主稜線の険しさはなく楽古岳以外はいま一つ同定しきれなかったが、 広尾橋を渡ると川原の向こうにそれと思わしき形の良い山が望まれた。

          


東広尾川沿いに進むとなかよさげな美幌岳が近づいてくる。 川原に降りて焚き火でもしたいが林道の様子が気になるので先を急ぐと、 ここは牧場の中なのだろうか至る所に牛が群れていた。 その先では何頭もの黒べこが悠然と林道を横断し、 おまえら誰だ?ってな顔でじっとこちらを見ていたが漸く重い腰を上げてくれた。 牧場の出口で電柵を越え、結局ほぼ終点の砂防c330m付近まですんなり入ることができた。 笹に囲まれ熊でも出そうな場所だったが夕暮れが迫り焼肉で安着祝いを始めた。          

         
          


翌朝3時に起床、 谷間のせいかまだ真っ暗だったがラーメンすすってる内に何となく周りが明るくなってきた。 笹の被る踏み跡を辿って入渓すると水がひんやり気持ち良い。 何も無くだれた沢を歩くこと1時間あまり漸く2段の滝が現れる。 1段目斜滝の上に透き通った水をしたためた釜があり、 2段目つるつるした岩をへつりで取り付き直登したら漸く体にエンジンが掛かって快調になってきた。          

         
          


う〜ん日高の名に恥じぬ綺麗な渓相に思わずニンマリする。 緑の中に小滝が段をなし、優しい雰囲気に心が癒されるようである。          

         
          


苔の岩間を流れ落ちる細い斜滝、小滝と小釜の連続に嬉しい悲鳴が上がる。 小滝と言えど美瀑が続き明るく困難のない沢登りで楽しい。          

         
          


先週慣れぬ沢歩きで苦労してた初心者Naさんをサポートしながらの遡行で積極的にザイルやお助けを出した。 登り方にまだぎこちなさはあるものの、滝の中段でVサインを出すなど少し余裕も感じられる。          

         
          


c600mを過ぎると沢は一旦伏流し暫く平坦なゴーロを行く、復活したら再び小滝と滑滝が嬉しい。 明るい岩盤の小滝がちょこまか混じり、暫く進んだ先にこの沢の核心ともいえる滝が掛かり水流脇を登る。          

         
          


連続する小滝でグングン標高を上げると 上流には美幌岳の山頂とおぼしきピークがすぐ近くに見え、下流には東広尾川を挟んだ対面の山並みが谷間から望まれた。          

         
          


840mからの詰めは結構シビアで読図をしっかりしないと騙されそうである。 水量が本流とどっこいどっこいの顕著な沢筋が幾つか入るので注意がいる。 930mで水が切れ、ガレの沢形から数十mの薄い薮漕で山頂とポコの間のコルに出た。 稜上の笹も軽く三等三角点のある山頂に到着する。          

         
          


やはり初沢から初ピークを踏むのは殊のほか嬉しい。 ダケカンバに囲まれた狭い山頂からの展望は決して良いとは言えないが 木の枝越しにまずまずの展望が楽しめた。 山脈の南方はまさに脊梁が終焉しようとしその中では豊似岳(写真右)が目立って食指がそそられる。          

         
          


北方は左端奥の楽古岳の隣に去年ヘロヘロで登ったピロロ岳(写真左)も見えていた。 日高側は雲の中だが十勝側の海沿いに広尾と音調津の港が見えた。          

         
          


下降は登山路並みの鹿道を辿って尾根を下り、 途中から北東面沢を下降した。 すべり台のような滝が幾つか現れただけで坦々とし下降に適している。          

         
         
          帰りは襟裳回りで黄金道路を通ってみることにした。 広尾町の音調津を過ぎると断崖絶壁が続く海岸に立派な道路が切り開かれ今もって改良工事がなされてるのには驚きである。 途中海風に当たりながらひやむぎを作って小腹を満たし、海水浴場のシャワー借りてさっぱりする。 山に行った翌日、何故か我が家のベランダは昆布干し場になっていた。




















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