日が長くなるこの時期は縦走が楽しく、喜茂別岳〜無意根山〜余市岳〜朝里岳の山嶺を繋ぐべく美比内山から北の稜線に歩みを延ばすことにした。
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前泊した元山で酒が進み、翌朝は寝坊して2時間遅れで出発する。
予報は悪くなかったがぱっとしない天気だ。
美比内山で引き返しもありだったが思いのほか早く到着し歩を進めることにした。
次第に青空が広がってまずは初ピークの三角点「中ノ沢1086m」を踏む。
余市川の源頭に面するこの山は季節風が強いのか真っ平らな禿山で白井川の対面に烏帽子岳、定天、白井岳等を眺める。
ここから見る南岳は山の体を成さずその先に恰好良い無名峰が二つ並んでいた。
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△中ノ沢から昨日と思われるモービルの跡がコルに延びていた。
そして1048ポコに登ると余市岳が姿を現し、次の1172mピークが良い山容を見せていた。
大江山(写真左)と呼ばれる1172mピークは札幌150峰の中でも遠い山だけに殊のほか嬉しい展望である。
更に左奥の岩峰は△岩倉山でかなり遠くまで来たんだと実感する。
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後方に札幌岳と狭薄山、左に羊蹄山やニセコ連山などすこぶる開放的な稜線である。
そして急斜面にジグを切って大江山に到着、ここも木の無いピークで展望は抜群だった。
普段目にすることのない余市岳の裏側や南稜の山々は至る所スキーの好適地だが、登山者の代わりに豆粒の様なモービルが走っていた。
白井川の広大な源頭をトラバースして大きな余市岳に向かう。
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クトーを装着してガリガリの急斜面から余市岳の肩に出ると傾斜が緩んでほっとする。
眼下に広がる眺望の中に阿女鱒岳が懐かしく、また小さな尖がりの岩倉山に寄れば良かったと悔やむ。
そして辿った稜線の先に無意根山と中岳を眺めながらクラストした山頂に到着、手の悴む寒さである。
出発から6時間45分と早く、縦走の記録が無かったので少し慎重になったが時間的には朝里岳まで繋ぐことも可能だった。
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稜線の風下で身支度をしていたスキーヤーを追って北斜面を滑降した。
前夜の雪が沢形に溜まって滑り易く、この時期としては文句無しの雪に恵まれ楽しい縦走を終える。
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<2010年の 阿女鱒岳〜余市岳・縦走 はこちら>