ベッピリガイ山  1308m  (新日高町)  ■Home
2014年10月5日 晴れ メンバー6名
5:40ペテガリ山荘→6:50連絡路土場→7:45・630二股尾根取り付き→(10:00-10:30)ベッピリガイ山→11:30・825尾根→12:15連絡路土場→14:00神威山荘分岐

ベッピリガイ山は残雪のペテガリ岳から眺めて以来、ずっと気になる山だった。 アプローチがネックで記録の少ない山だが主稜線から少し外れた位置にあるため日高山脈の展望が期待される。 沢詰めで登るか尾根を使うかちょっと迷うところだが日の短い時期でもあり、 八谷さんのガイド本を参考に南尾根からサクッとピークハントすることにした。


ペテガリ山荘ではストーブの火が絶えず暖かく快適な朝を迎えた。 朝食を取って身支度を進め、5時半過ぎ空が白んだ林道を出発する。 霜のついた落葉を踏みしめながらやがて朝もやの中にベッピリガイ山が望まれ、 展望見たさに登頂意欲が高まってくる。 504連絡路の出合いに荷をデポし、更に上流に向かって林道を進むと何時の間にかベッピリガイ沢に水が復活していた。 そしていよいよ道が怪しくなって600で入渓、つるっとした小さな釜滝を超え630の二股に出合う。 すぐ近くに垂滝が垣間見え右股も左股も険しそうな予感、迷わず予定した南東の支尾根に取り付く。 この尾根は岩混じりでリッジ状になった部分もあり、 地形図とだいぶ違うが灌木を頼りに100mほど登ると少し落ち着いてくる。



ふくらはぎが痛くなる程の急尾根に薄っすらシカ道が現れ、 面白いように標高を上げると早くも後ろに神威岳が見えてくる。 やがて850で傾斜が緩んで一休み、背の低いみやこ笹の中に明瞭なシカ道が続く。 1010で広尾根に合流してからはチシマ笹に変わるが尚も道が続き、 その中にドングリを食ったと思われる緑色の熊の糞を何度か目にする。 シカ様様かと思ったが熊の通り道でもあるようだ。 背後には昨日登ったウチイチ山がなかなか良い山容で望まれ、 そして見上げる先は一面の笹に覆われルンルン気分である。 流石に獣は山頂にまで用がないとみえ、直下の笹とハイマツを漕ぐと膝程の笹中に苔生した三角点が埋まっていた。 木の無い頂から眼前に広がる日高山脈に息を呑み、そして感嘆の声が上がった。


          


日高山脈の展望台とはよく言ったものでピリカヌプリから1839まで実に素晴らしい眺望が広がっている。 その中でも中ノ岳の鋭鋒振りがひときわ目を引き、 この前後が日高縦走の中で核心とも言える稜線だっただけに感慨深いものがあった。 更に左にはペテガリ東尾根、右の神威岳の横には薄っすらアポイ岳やピンネシリが見え圧巻である。          


          


真正面にどんとペテガリ岳が聳え、山頂へ突き上げる深い沢筋に思いを馳せる。 対岸の長い西尾根を単独者が登っている筈だが、流石にこの時期は一人で寂しいだろうと想像する。 ペテガリ岳の左にはルベツネ山と1599がちょこんと頭を覗かせ、ヤオロマップ岳〜1839〜シビチャリ山と続いている。 さて、風もなく穏やかな天気で名残り惜しいがそろそろ下山とする。 下降は安全を期して825の広尾根を下ってみることにした。 登った尾根より笹が少し鬱陶しいがこちらにもシカ道が延びていた。 思ったより早く下山し、三石温泉で解散する。 マイナーなピークと展望を楽しんだ二日間だった。          


<昨日登った 東面沢〜ウチイチ山 はこちら>



          








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