2013年8月11日 曇り時々晴れ メンバー3名
5:35黄金林道790m入渓→7:45・c1050二股→10:50登山路→源頭迷走→12:30登山路復帰→13:40扇沼山14:10→15:40俵真布林道下山
トムラウシ山の三川台に源を発する辺別川はアイヌ語で(ペ・ペツ 水・川)小川が幾つも集まって川を作っている所の意味、
ここから先は旭川で美瑛川にそして石狩川へと合流する息の長い川である。
なかなか面白い沢だと聞いているが林道がネックで沢登りより尺を狙える川としての方が知名度は高い。
週末は雨が続いて増水が気になるが取り合えず駄目元で出掛けてみることにした。
土曜のんびり現地に向うと途中の富良野で雨になり、空知川が増水していた。
「この週末、棒に振ったかな・・」と半ば諦めの心境だったが辺別川の橋を渡ると増水の気配がなくほっとする。
小雨の林道にテントを張り、マーボー豆腐で軽く一杯やって就寝する。
翌朝漸く雨が止み、荒れた黄金林道を進んで中尾沢二俣近くに車を止める。
入渓すると水がやや多いものの濁りが無くて幸いだった。
朝霧に覆われた沢は河原が少なくちょっと暗い感じだったが淡々と飛ばす。
やがて霧が晴れると青空と共に深みや滝が現れ出した。
「ん、これは期待を裏切らぬ渓かも知れない」と思う間もなく滝やゴルジュがばんばん現れる。
滝は直登可能なものが多くとても快適である。
まだ序盤なのに滝の数が多くていちいち数えていられない。
ゴルジュや淵では魚影を見かけなかったが魚の好きそうな黒々とした釜が水を湛え、落ちたらと思うとちょっと厭な感じである。
これらは主にへつりで越え、幸い泳ぎは無かった。
左から次々に支流が入り1010mでは高所より滝が飛沫を上げて合流する。
これらの上には黄金ケ原の湿原があり、どうりでなかなか水が減らない訳である。
1020m・釜付き直爆6m(右)はそれ程高くないものの直登できず左岸を高巻いた。
中盤に入るとゴルジュが終わり、少しずつ明るい渓相になってくる。
滝が相変わらず小気味良く出現して全く中弛みしない。
c1130CS滝10m、このチェックストーンの滝がこの沢で最大だった。
滝のすぐ左岸にルンゼがあり、古いトラロープが垂れていたが引っ張ると簡単に抜けてしまう。
ルンゼの中は落石が厭らしくなかなかシビアな高巻きを要求され、これがこの沢の核心だった。
徐々に空が開け、沢中に日が届くようになると水飛沫が気持ち良い。
滝も緩やかなになって明るい大雪の沢って感じになるが岩が所々泥で汚れている。
デブリで雪渓が消えたばかりと思われるが大雨でも降ってすっきりしたがってるようだった。
そして流れが弱まっていよいよ源頭が近づくと今日の目的の一つ兜岩が見えてきた。
大きな雪渓がc1400から400m程続いたあとヨツバシオガマとキンバイソウが咲く広々とした源頭に迎えられる。
沢筋の流れは絶えず、木の枝を払いながら兜岩を目指してどんどん進む。
そしてc1500過ぎで登山路と交差するがこれを見逃し、
本格的なハイマツになって漸く行き過ぎに気付くが1時間半のロスだった。
登山路は陵線より思いのほか下に付いて、兜岩まで結構なハイマツが広がっている。
既に登る気は失せ、テクテク下山とする。
ぬるぬるの登山路に閉口し、車を回収したとたんどしゃ降りになってほっとした。
さしたる悪場が無く、綺麗で楽しめる沢なのに林道がネックで容易に入れないのが残念である。