芦別岳本谷 (2014再訪)  1726m  (富良野市)   ■Home
2014年5月25日 曇り後晴れ メンバー5名 
5:35旧道登山口→7:30ユーフレ小屋→(11:00-11:50)芦別岳→14:45新道登山口

本谷は雪渓で埋まったユーフレ川を詰め、聳える岩稜やルンゼを仰ぎ見ながらピークに至る芦別岳のバリエーションルート。 デブリや落石の跡を横目に緊張感を伴いながらの登りが何とも言えず多くのリピータが集まる山である。 谷の雪が大方落ち、ゴルジュが開かない5月中旬が適期とされるが今年は雪解けが異常に早くちょっと気掛かりである。
                    

  
          
前夜9時過ぎ山部に到着し旅人情報交換所なる廃バスに泊まる。 先客は旅人ならぬ本谷狙いで七輪を囲む3名だった。 2時間程歓談してお開きとする。 翌朝4時半起床、5時にメンバー1人が到着し、 1台デポして旧道に向かうと登山口にはかなりの車が止まっていた。 ユーフレ沢沿いに大小の高巻きを乗り越えて進むと支流に架かる丸木橋に着く、 今回初めてスパイク長靴にしたので沢は飛び石伝いに渡った。 これを超えればユーフレ小屋まであと少し。 小屋に着くと周りに雪が無く、ゴルジュが開いてた時と状況が似てちょっと心配だ。 Fさんパーティーの他、数名のグループが外で休んでいた。

                    

  
          
程なく沢は雪渓で埋まるが所々で穴が開き、踏み抜きに注意しながら進む。 ちょっとした岩のへつりに人だかりが出来て進めない。 長靴だから飛び石伝いに沢を渡って先回りし様子を伺うと先行グループで怪我人が出たようだ。 転んだか穴にでも嵌ったのか、腕を吊った人が仲間と共に下山して行った。 心配したゴルジュの雪渓は両サイドから痩せ始めているがあと数日は大丈夫そうだった。 昔このゴルジュで事故があったと聞いている。突然崩壊でもしたら増水した 下水管に流されるようなもの・・・一人ずつ間隔を開けて登る。 滝上の左岸に高巻き用の残置ロープが垂れていた。

                    

  
          
本谷はデブリと小石、落ち葉などで酷く汚れ、雪が減ってインゼルがやけに高く見える。 インゼルを過ぎると右俣を進んでるグループがいた。ん?何か変だ。 地図で確かめるとやっぱり間違い、大声で呼び止める。 次第にガスが晴れ、青空のもと岩稜と残雪のアルペンチックな景観が素晴らしい。 ところが本谷をおねだりした肝心のken子がばてて口数が少ない。 昨夜の酒がまだ残ってるな、辛そうな本人には悪いがお陰で静かな風景が楽しめた。

                    

  
          
1200の三俣に差し掛かると右俣に入ってる先行グループが見えた。 右の方が広いのでガスったら間違い易い場所だがこの日はとってもクリア、当然ながら中俣を進む。 後続グループは先行が二手に分かれたので一瞬戸惑ってる様子だった。 下からはあっちは間違い右が正しいと訳の分からんこと言ってる声が響き、 こうなるとそれぞれのパーティーの判断だ、無視して進む。 コルまでの急斜面は雪が軟らかくスパイク長靴でもすこぶる快調だが、 流石に下を見ると高度感抜群でくらくらしてくる。





コルで一休みしてると山頂から降りてきたガイド登山らしきグループが 4人コンテになって本谷を下っていった。 またスキーを履いた人が「なるべく石を落さないで滑りたいが下に何人くらいいますか?」と聞いてくる。 この日は単独からグループまで本谷だけで11パーティーも見掛けたので片手位の人が登ってると思うが 「これから結構登ってきますよ」と答えその場を離れた。 スキーの達人に違いない。 小石だらけで凡そ快適な斜面には思えないが本谷をスキーで滑りたいと云う拘りか、 滑る姿を見たかった。

                    

  
          
旧道コースを辿って山頂に向かうと岩場の途中で道が二手に分かれ、 左から直登したら山頂ポールが後ろに立っていた。 暫し山頂独り占め、すぐ新道コースから登って来たGさんに声を掛けられる。 ツクモグサが咲いてると言うので岩場に下りると、 日の当たる斜面にちらほら産毛に包まれた緑色の花を見付けた。 GWのピパイロには一杯咲いていたがこちらはちょぼちょぼで寂しい。 全国的にも咲いてる山が限られる希少な花だが、ある山のガイド本にこんな紹介が載っている。 それによると「ツクモグサは雪が融ければすぐに咲く高山の春告げ花である。 どの山のものが素晴らしいかと訪ねられたら、私はためらうことなく芦別岳と答えるだろう。 分布するほとんどの山で見ているが、芦別岳のものがピカイチであると」 自分はそこまで花に興味がないせいか残念ながらこの花の可愛らしさがいまひとつ分からない・・


                    

  
          
先月縦走したばかりのポントナシベツ岳から夕張岳までの山並みを目で追う。 風を避け頂上の岩陰で1時間ほど休んだが三俣を右に入ったパーティーは姿を現さなかった。 下山したらTさんからウド貰う約束してたのに残念・・・・諦めて新道を下る。 山頂直下の急斜面を下るとすぐ脇をどこかのおっかさんが尻滑りでぶっ飛ばして行った。 反面山まで概ね雪が残って尻滑りを楽しめたが米袋を持ってくるのを忘れた。 それにしてもこんなに疲れる道だったかなあ、 久しぶりの夏道で辛いがそれでも本谷を下るよりは時間的に早く楽である。

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