番ノ沢山はかつて炭鉱で栄えた西芦別・頼城の西数kmに位置する目立たぬ山である。
炭山川沿いの峠が冬期通行止のためR452から番ノ沢林道を辿ることにして△日暮山にも寄ってみようと思う。
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小さな集落に不釣り合いなほど立派な橋を渡ってゲートを出発する。
雪に覆われた林道に熊の足跡を見ながら4km程進んで尾根に取り付いた。
緩やかに標高を上げると金剛岳と烏帽子岳のなだらかな山並みが広がり、思いのほか遠望も利いてまずまず。
三角点の日暮山は木の間に月見山らしきが見えるのみ、ゆるゆるした稜線を北に向かう。
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番ノ沢山までちんたら1時間とみたが728と次のポコが地形図では読み切れない岩峰になっていた。
ワカンに替えて728は北面を大きく巻き、次のポコは辛うじて雪の付いた南面を小さく巻いた。
再び平穏な稜線に戻ると新たな展望として美唄山と辺毛山が加わり、そして見晴らしを期待しつつぱっとしない山頂に到着した。
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【番ノ沢山から北東の眺め】木の無い山頂下の斜面で山座同定にいそしむ。
イルムケップ山から那英山まで思いのほか展望が得られ満足する。
炭山川沿いの削られた斜面は露頭掘りの跡で鉄道橋梁が国の有形文化財になっているそうだ。
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さてスキーをデポした岩峰に戻るとする。
次第に界隈の山々がくっきりして十勝連峰の他、芦別岳の奥に夕張岳をも望むことが出来た。
番ノ沢という山や地名は道内各地にあるがアイヌ語から来たものではなく岩盤の「盤」を当てたと言われている。
地味な山名だがそれなりに時間を要し納得がいく山だった。
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