秋田県森吉/ 桃洞沢〜赤水沢 地図はこちら ■Home |
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野生鳥獣センターの広い駐車場はがらんとして本日の遡行者は我々だけという感じだった。
身支度してるとタイミング良く秋田訛りの管理人さんが到着し、
館のトイレを拝借して出発する。
ここから桃洞(とうどう)滝の近くまで4.2kmの案内板に従い、
気持ち良いブナの森に延びる小路を進んだ。
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「天国の散歩道」と呼ばれるこの路は
一般の人が桃洞・赤水の渓谷を散策するためのもので、
赤水沢側は湯治で有名な玉川温泉まで延びている。
分岐を過ぎて暫くすると「桃洞の滝まで500m」の案内板が
あり、この辺から適当に沢に入ることにした。
水がひんやり冷たく、
木漏れ日を浴びながらひたひたと清流のきらめきを進んだ。
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水量はいつもより少なそうで浅い所を選んで歩けば確かに長靴を履いても来れそうである。
平坦な川床にはおう穴と呼ばれる大小の丸い穴が幾つも出てくる。
直径、深さとも数cmから底が見えないほど深いものまでさまざまで
ぼけっとして歩いていられない。
「桃洞の滝はまだかな〜」わくわくしながらカーブを曲がると赤面する程の光景に目を奪われた。
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観光パンフに載ってる高さ40mの「桃洞の滝」は別名「女滝」と呼ばれ、
どこからどう見たってそのものずばりである。
以前どこかのJR○日本が観光ポスターにしたところあまりにリアル過ぎて不評を買ったとか・・・。
折角だからメンバーに並んでもらい記念写真を撮ろうとしたら、
いきなりコマネチのポーズをとるので噴き出してしまった。
ここは左岸に刻まれたステップから登るが高さがあってヒヤヒヤしたりニヤニヤしたり忙しい滝だった。
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c700を過ぎると右からナメの支流が入りミニ桃洞滝の連続する「九段の滝」が掛っている。
こちらには時間の関係で行けなかったが、
あの滝に出会って以来どれもこれも艶かしい形に見えてきて困った。
本流のナメは延々と続き、
両岸がゆるいスラブ状でまるで山全体が一枚の岩盤に覆われてるようである。
また沢中や尾根に秋田杉の巨木があり道内では見慣れぬ光景で珍しい。
すぐに数mの中ノ滝があり真ん中をフリクションで越える。
その上から長く開放感のある桃洞沢で一番美しいナメ床が広がる。
更にトラロープが垂れる2段10mの男滝(写真左)が見えてきた。
左岸を慎重に登ってバンドを伝い、上段のステップから滝口に上がった。
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男滝から少し進んだ辺りで本流と別れ赤水沢に向う支流に入る。
ややゴミゴミした小沢を進んで5mの滝(写真右)を2つ越えると水と沢筋が消えた。
さていよいよ藪漕ぎだと気合を入れたもののあっと言う間に赤水沢支流に出て拍子抜けする。
しかも沢床が既にナメとは嬉しい限りである。
源頭からナメの赤水沢支流は小滝と釜が連続し、
ぱたぱた走ったり、笹や潅木を掴んでズルズル下ったりと忙しい。
少し開けた場所に出たと思ったらc760の本流出合いで、
水面に映る秋の景色を楽しみながら暫しまったりした。
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桃洞沢より赤水沢の方がナメはしっかりして川幅が広く気持ち良い。
ゆったりした気分で降ってると急に水音が大きくなり2段10mの滝が現れた。
ここは潅木に支点を取り懸垂下降する。
すぐ3段15mの滝(写真左)が待ち構える。
上段をクライムダウンし中段を懸垂すると左岸にステップが付いていた。
下段はルンゼを尻滑りして下る。
続く小滝群も小潅木を掴んだり微妙な凹凸を利用してのクライムダウンで結構緊張した。
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赤水沢で一番大きな40mの兎滝に出会うと滝下に複数のギャラリーが小さく見えていた。
ここにも左岸にステップがあったが上から覗くと高くてクライムダウンする気になれない。
頼りない立木を複数まとめて支点とし50mと30mのザイルを繋ぎ一気にゴボウで下った。
この滝を下から眺めると岩の光る部分がウサギに観えると喜ぶメンバーだが、
想像力に欠いてるのか私には最後まで見えてこない。
代わりにウサギちゃん三羽登場!
こっちは一応ウサギに見えました。ハイ・・・
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兎滝からも相変わらずとろとろの水面と岩に張り付いた落ち葉に癒される。
玉川温泉分岐から遊歩道を歩いて1時間ほど早く鳥獣保護センターに戻り、
そのぶん森吉山荘のお風呂でのんびりすることができた。
静かで美しい桃洞沢と赤水沢の渓谷に大満足して今夜のお宿こめつが山荘に移動した。
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