秋田県森吉/小又川・連瀬沢左俣〜森吉山 地図はこちら ■Home |
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山を降りて森吉山荘の温泉を出ると既にどっぷり日が暮れ、登山口となるこめつが山荘へは真っ暗な道を右往左往して辿り着いた。
車が一台止まっていたが主不在の様である。
玄関の戸を開け部屋の電気を付けると暖炉のある別荘さながらのしつらえに驚いた。
ただ困ったことに水が出ないので近くのキャンプ場で分けてもらい無事安着祝いを始める!
快適な小屋は4人だけでくつろげ幸いだった。
翌朝6時前に出発し山荘脇の登山口から歩き始める。
気持ちの良い樹林帯を抜けると旧スキー場となり再び登山道の尾根を登る。
標高1000mあたりで小沢を下降しようと藪に入ったら何故か登山道に戻ってしまった。
狐につままれた思いで再び藪を分けるとやがて水の流れる単調な小沢となりどんどん下って連瀬沢に降り立った。
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暫くゴーロが続きやがて巨岩帯となるが沢に陽が入り木々も色づき明るく楽しい。
遡行すること30分程でc780mの二俣に到着、
左に進んで相変わらず巨岩が続くがしっとりと苔が覆い始める。
すぐゴルジュ滝が現れ中を行くと上が2段の小滝となり、
何となく渓相ぶりが良くなって先々に期待を持たせた。
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c870m付近で待望のナメに思わず頬が緩む!
癒し系の沢を思わせる美しいナメと登れる小滝がコンスタントに現れテンション上がった。
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そしてc920で深い釜を持った顕著な10mの滝(写真左)が現れた。
登攀意欲をそそる滝だがシャワークライム必須、
勇気あるKaちゃんが右からへつって取り付こうとしたが直爆と寒さで断念する。
右のルンゼから大高巻きで越えザイルで滝口まで降りてみると、
くの字になったゴルジュの先から水が勢い良く噴流していた。
すぐ上にも8mの滝(写真右)が構え左岸を登ったがここは一気にまとめて高巻いてしまうのが賢明のようだ。
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次の8mのナメ滝を右岸から登ると滝上には幅広のナメ(写真左)がずっと続いていた。
3m・4m・5m・次々に現われるナメ滝群はさすが森吉の沢と唸らせるに十分な光景である。
標高が上がるに連れて紅葉が映え、連瀬らしい美しさが佳境に達した。
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次の10m滝(写真左)は左岸の草付きを登って落口に出る。
ノーザイルで登れる滝とナメの繰り返しが楽しく、
ナメには昨日ほどでないが小さなポットホールも散見された。
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スダレ状8m滝(写真左)は水線通しに登るのが難しく、
ザイルを延ばして草の生える辺りを直登したがちょっと微妙なスタンスだった。
そしてこの沢の核心となる2段30mの大滝(写真右)が待ち構える。
この滝は結構立って見た目にも迫力があり、
連瀬沢左俣が「不帰沢」とも呼ばれる所以かもしれない。
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下段(写真左)はそれなりのホールドを拾いながら水線左を直登する。
登ると中に大きな釜があった。
上段(写真右)は立ってる上にホールドが細かくて難しそうだ。
空身で取り付くと残置ハーケンがありセルフを取るが、
核心部がハーケンよりかなり上なので気合を入れフリクションで上がった。
登り切った達成感と眼下に広がる谷間を眺め気分爽快になる。
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滝はもう終わりだろうと思ってたら深い釜を持った10mの滝(写真左)が現れた。
滝下まで行くとホールド豊富で左から登れそうだが
シャワーで寒そう〜暫し躊躇し右岸を高巻いた。
この上は再びナメが続き沢中に日も刺し平穏な遡行となる。
しかし連漠はまだまだ続き、
また出たぁ〜!てな調子で数mの小滝(写真右)がひっきりなしに現れた。
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なかなか水が減らず源頭とは思えないが、
いよいよチョロチョロし出すと枝が張り出して少し歩き難くなる。
けれどこの場に及んで幅3mくらいのミニナメが数十m続いたのに驚いた。
更に苔生したゴーロのあと5mの土壁を越えると遂に藪に覆われた。
だが少し先の赤布を目指して踏み跡を辿ると呆気なく1190mの登山道で今日も藪漕ぎ無しでありがたい。
あまり整備されていない登山道をハイキング気分で山人平に向かう。
ヒバクラ岳からの登山路が合流すると見晴らしが広がり、
花の時季ならさぞ綺麗だったろうと想像しながら一休みする。
草紅葉の中に木道が延び、道端には青いリンドウがたくさん咲いていた。
ずんぐりと丸い山頂まで緩やかな登りが辛かった。
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森吉山山頂到着、やった〜!!
パトロールしてる人の話ではつい先程までガスってたが急に晴れてきたとのこと。
快晴とまではいかないが360度の大展望を楽しむことができた。
八幡平の山々、八甲田山、岩手山、秋田駒と乳頭山、日本海に男鹿半島、
さすが人気の山だけに実に素晴らしい山頂展望だった。
下山路もなだらかな斜面が続き途中2箇所に避難小屋がある。
阿仁避難小屋(写真右)と森吉避難小屋(写真下)でどちらも綺麗で雰囲気が良く泊まってみたかった。
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森吉避難小屋の隣にある森吉神社には御神体と思われる大岩が鎮座し石碑にこう刻まれている。
「連瀬沢 滝音ききつつ 登りゆけば もろびの匂いす 前岳近く」
秋田にはもろび餅とかもろび苑とか「もろび」の名が出てくるので調べたら、
この地域に生える杉のことで枝を燻して厄払いにする風習があったらしい。
行く前に知ってたら枝の一本でもお土産に持ってきたのに残念だった。
途中の一ノ越ピークには三等三角点が置かれて嬉しい。
谷間に垣間見える連瀬沢右俣「鳥居沢」の荒々しい渓谷が気になりつつ、こめつが山荘に戻った。
車に乗って程なく道路の真ん中に何か動く物が?何んだべと思ったら真っ黒いツキノワグマだった。
車内騒然、大喜び!最後にこんなのまで見せてくれるとは本当に楽しい山である。
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帰りがてら江戸時代の紀行家・菅江真澄が森吉山に登った際に立ち寄ったと云う
杣温泉(ソマ温泉)に行ってみた。
ごく質素な建物に掘っ立て小屋のお風呂を想像したが何と風情ある旅館で驚く。
しかも露天が混浴とは!いつまでも入っていたくなるほど柔らかなお湯だった。
昨日・今日と銘渓を思いっきり楽しみ、
またメンバーのキャラに笑い止らず八戸発22時のフェリーに乗った。
船中でも秋田の地酒に酔いながら思い出し笑いが続いた。
<初日、秋田・桃洞沢〜赤水沢はこちら> |