愛山渓〜愛別岳〜比布岳  アイゼン・ピッケル&山スキー(上川町) 地図はこちら  ■Home
2011年5月中旬 曇り後晴れ 白川尾根ルート メンバー11名
5:15愛山渓温泉→10:00愛別岳→11:50比布岳→14:15愛山渓温泉

前日は天気がぱっとせず真っ直ぐ愛山渓倶楽部に集合した。 例年GW直前に開通する道路が雪崩の危険で遅れたと言うだけあって愛山渓はたっぷり雪に覆われていた。 まったりと湯に浸かり味の染みたおでんとお稲荷さんをつまみながら二階で懇親を深め、 上機嫌になったところで隣の温泉ロビーへこぞって移動した。 泊り客がいないから今晩だけよとフロントからお許しを貰い、 持参したカラオケ機をテレビにセットし一般日帰り客を交えカラオケ大会を始めた。 ところが高い天井からエコーが反響して音程に合わせて歌うのがやたら難しい。 喉の調子は悪くなかったものの得点があまりに低く首を傾げると機械や環境のせいばかりで無いとの評価である。 標高と声に関係があるか定かでないがこの日は調子外れの歌が多かった。 そんなこんなで遅くまで盛り上がってしまった。
          


3時半起床、曇天で山は見えないが予定通り5時過ぎスキーで出発する。 豊富な残雪の上に昨夜の新雪が20cmほど積もり風も無く穏やかである。 白川のスノーブリッジを渡って尾根に取り付くと一瞬、雲の切れ間から大きな岩峰が望まれた。 あれが白川尾根の岩稜だと言うと、何処からともなく溜め息とも驚きともつかぬ声が漏れた。 いよいよ尾根が急になるc1750mでシートラしアイゼン・ピッケルで登行する。          
         
          ガスって折角のアルペン的景観が得られず寂しいが、雪が豊富なお陰で岩陵帯の登りは苦労しなかった。 数年前のGWで岩登りさせられた時とは大違いである。 <2003の愛別岳白川尾根はこちら>
         
          やがて空が明るくなって期待を持たせると突然、雲を突き抜けたようにぱっと青空が広がった。 山頂手前の大きな岩頭を越えると傾斜が緩んで歩き易くなり、晴れてる間に早く山頂に立ちたいと気が焦った。
         
          白川尾根もあとほんの僅かな頂稜部を残すのみである。 ガスの中からいきなり晴天の愛別岳はあまりにドラマチック過ぎる。 この感動は一生ものかも知れない。
         
          雲海に浮かぶ愛別岳山頂からの眺望は素晴らしく、 真っ白に雪化粧した大雪山を前に歓声が上がった。 遠くから来た甲斐があったと喜ぶメンバーばかりでなく、誰もが眩しいばかりの景観に大満足した。
         
          さて小腹を満たしたら、つり尾根を経由して比布岳に向うことにする。 狭い尾根だが意外に雪庇は無さそうだ、 鞍部から標高差200m近い登り返しが白い壁のように立って見えた。
         
          雪山は登るより下る方がはるかに難しい。 アイゼンが雪団子になって神経を遣う。 急な愛別岳直下は慎重にバックステップで標高を下げた。 下降中のメンバー3名が見える。ガンバレ!
         
釣り尾根の途中で振り返る愛別岳の鋭鋒。 夏の赤茶けたイメージにほど遠く青い空と雪山のコントラストが素晴らしい。          
         
海老の尻尾で覆われた比布岳へダイレクトに到着すると 北鎮岳や白雲岳など新たな大雪山の展望が加わった。 ようやく辛い登りから開放され、いよいよ滑降の楽しみが待っている。          
         
安足間岳から当麻岳に抜ける予定でシールを外し出発すると、 誰かが「一杯いるわー」と叫んだ安足間岳の頂に大勢の人影を見かけた。 急に予定を変更し足下の広大なピウケナイ沢の源頭へドロップインする。          
         
優美な姿の旭岳を正面に見据え無木立の大斜面に思い思いのシュプールを描いた。 気温が上がってぽかぽか陽気となりこれぞ春スキーの醍醐味を堪能する。 途中、硫黄の匂いがして中岳温泉が近いことを知る。 青と白の広大な山上台地は遠近感に乏しく後半だれた。          
         
愛山渓温泉に戻る尾根から愛別岳と白川尾根が望まれた。 再び感嘆の声を上げながらカメラを構えるどの顔も達成感に溢れている。 お風呂でさっぱり汗を流し楽しい山行を終えた。          


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