2012年2月下旬 メンバー4名
2/18 晴れ 10:05尾根取付→14:55・1580mC1
2/19 晴れ 6:30C1→(8:00-8:15)十勝幌尻岳山頂→11:55下山
週末は北大雪で一泊の計画でしたが予報が悪く、毎日好天の続く十勝に行き先を変えました。
冬尾根を登って1300か1400mくらいにテントを張り、ご来光を拝みながら日高山脈の大展望を楽しめれば最高です。
ただこの週末は相当強い寒気が流れ込む予定で何か防寒対策をしっかり取らねばえらい目に遭うかも知れません。
あれこれ考えるも結局モモシキとシャツを重ね着しするしかすべがなく、モコモコ姿で出掛けることになりました。
中札内から見る勝幌、ちょうど正面の尾根を登る c1580m雪庇脇を均すとそれなりに良いテンバになった 翌朝、テンバより太平洋に昇る御来光が拝めた
中札内まで高速が延び待ち合わせより2時間も早く着いてしまった。
コンビニでのんびり朝メシを食べてると店員と客の会話が耳に入ってくる。
「あれ、朝早くどこにいぐのさ」「札幌でモーターショ一見てくんだわ」
あっそういえばドームで北海道初のモーターショ一だったな〜、
ビッグイベントを見に札幌まで行く人がいる一方、
わざわざ山に来る奴もいるのかと我ながら可笑しくなってきました。
さて登山口に向うと戸蔦別林道は事前情報の通り第6砂防堰堤の工事中で除雪が入って助かりました。
概ね1時間の短縮です。
オピリネップ川に架かる橋の手前に数台分の除雪スペースがあり帯広ナンバーの車が1台止まっていました。
もし山に雪が無かったらどうしよう?という心配は杞憂に終わり先行者のトレースを辿って尾根に取付きました。
雪は全体に少なく中がスカスカだったもののノーラッセルで楽勝です!、
こんなだったらもっとビールを担げば良かったなと思いながら順調に標高を稼ぎます。
1300mで先行に追い付くと何と女性二人組でテンバ探しの最中でした。
いきなり現れた我々にビックリした様子でしたが、まだ先にテントを張ると言ったらしばらく後を付いてきました。
尾根が細くなるとうねうねした大きな雪庇が続き1580mにテントを張ってブロックを積んだ。
夕暮れとともに一気に冷え込んで外に吊るした温度計は-19度を指している。
やがて宵闇に芽室と帯広の街灯りが浮び、空には満天の星が輝く期待通りの夜になりました。
一杯やりながら米を焚いて野菜サラダとカレーを作り、21時就寝しました。
青空の下、朝陽を浴び快調に雪庇の尾根を出発する 帯広岳、剣岳、久山岳の山並みと十勝平野を一望する あれよとスキーのまま山頂に登ったが下りが大変そう
未明、シェラフの中で寒さに震えてると4時半に目覚ましが鳴った。
テントの端に寝た二人と真ん中二人では寒さに随分差があったが換気口を開けたまま寝てしまったのがそもそもの敗因である。
とにかく朝はめちゃくちゃ寒く枕元にあったぺットボトルの焼酎がガンガラガンに凍っていたがこんなの初めてだった。
さてテンバから御来光を拝み、神々しく輝く山頂を目指して出発する。
雪庇の尾根を登って行くとちょうど手のひらが入る程の細長いクラックが目に留まった。
深さは1-2m、中は神秘的なコバルトブルーで美しい断面をしている。
気持ち悪いので内側を歩くとズボズボ埋まって難儀する。
落とし穴に腹まで嵌り先頭をSさんが交代して間もなく、突然1m脇の雪庇が地響きを立てて崩壊した。
心臓が飛び出るかと思うくらい驚き、胸を撫で下ろす。
雪庇群をクリアして振り返ると帯広岳、剣岳、久山岳の山並みと広々した十勝平野が一望される。
尾根の右には札内岳が聳えエサオマンが徐々に顔を覗かせた。
大展望が待ち遠しい。先を急ぐように広い尾根をスキーのまま登り切るとあっけなく三角点が飛び出す山頂だった。
白い北日高の山並が累々とし初ピークを踏んだSさんは目を丸くして喜んでいる。
-25℃と寒いが風がなく穏やかである。
ところがあっと言う間に峰々のピークが雲でぼやけてしまったのが残念だった。
下山を始めてほどなく昨日の2人組がE・Pで登ってきた、寝坊したらしい。
スキーの下りは気を遣うが早い、テンバからは流石に重装備と重い雪でターンもままならず修行のようだった。
途中、彼女等の小さなテントが雪庇の下に張られていたが
なるほどあそこなら風も当らずぐっすり寝れたであろう。
あっと言う間に北日高の峰々が雲でぼやけてしまったのが残念、真正面にカムエクが聳える