夕張マッターホルン(1415峰) 夕張山地  地図はこちら  ■Home
2008年8月下旬 登り4:20 下り2:55 メンバー2名
7:00林道c630→入渓7:15→山頂1415峰(11:20-12:00)→14:55林道c630 (休憩含)

地図に山名の無いこの山は夕張岳と芦別岳のほぼ中間に位置し天を突くような山容から「夕張マッターホルン」と呼ばれている。 樺戸山塊や美唄山から良く見えるが岩見沢や札幌の一部からもちょこんと飛び出す鋭鋒を確認することができる。 誰が名付けたか気になる山だが何せ奥深くアプローチが大変、しかるに今回は頼もしいメンバーを得てスムーズに完登することができた。

シューパロ林道の途中から夕張マッターホルン      シューパロ川支流北面直登沢より入渓する      時期が早いとかなりの雪渓が残ってる筈だ 

前日、Iさんと桂沢湖のキャンプ場でホルモンを焼きながら酒が進んだ。 4時に目覚ましが鳴ったがあと5分もう5分と寝袋から抜け出せず結局1時間遅れで出発した。 国道を夕張方向に向う途中で左の林道に入り大きな夕張川に沿って車を走らせる。 崖淵を縫う林道からの渓谷は素晴らしく紅葉の時期ならさぞ美しいだろうと想像を掻き立てる。 だが今はのんびり景色を眺めている余裕はなく現在地を確認するのに地図から目が離せない。 一旦夕張川から支流の天狗沢に入り再び夕張川へ戻る入り組んだ林道である。 道は天狗沢林道に入るとかなり荒れ、夕張川沿いに奥主夕張2号橋を渡ると完全な悪路となる。 だがIさんの日産サファリは頼もしく枝の被った草茫々たる林道を突き進み国道から約20km奥まで入ることができた。 歩き出すと直ぐに林道は途切れ、獣道にでかい熊の足跡が続いて良い気持ちがしない。 やがて藪で不明瞭となり、夕張川へ下ってみたがどうも沢が小振りでイメージと違う?  地図とGPSで確認すると夕張川ではなく既に北面直登沢に入っており目印に赤テープを垂らした。 綺麗な沢に魚が走り崩壊したばかりの大きな雪渓を3箇所乗越えると深い釜持ち4mの滝があり直登する。 更に小滝を越えゴルジュに入ると釜を持った3m程の滝が現れ、戻って高巻くことにした。 取り付く場所が悪く泥壁と岩磐に苦労しながら沢身に戻るとすぐ次の滝が目に留まった。 滝はc760二股の左で落ち口はゴルジュになっていた。

     
  釜持ち4m滝を越えればすぐゴルジュとなる     1470ピークから夕張マッターホルン山頂は間近    最後まで急な藪漕ぎに疲れた様子、バックは芦別岳 

進む方向はこの二股から右で一安心だが一転してブタ沢となり熊の食べ残した蕗が随所に見られた。 水は一旦切れるが復活してc1100まで続き、急なガレの登りに玉のような汗を掻かされる。 c1200でちょっとした岩に拒まれ北西尾根に逃げることにした。 少し戻って潅木を頼りに斜面を登り、漸く出た尾根c1220は酷いネマガリで先が思いやられた。 幸いネマガリは一時で潅木と笹を分けながら急な登りを続けると数mの高さの岩塔が幾つも現れる。 これらを木登りでかわすが狭い尾根上で高度感があった。 やがてハイマツが出始め1470ポコに到達すると山頂は目と鼻の先である。 ここからは古い鋸目の入った僅かな踏み跡が延び思い焦がれた山頂へ到着した。 三角点からの展望は素晴らしく、人里離れた奥深さを実感する。 夕張岳から芦別岳の山並みを目で追い、いつか繋ぎたい思いが強くなる。 その尾根上に大小の沼が点在する湿地が見え、熊と鹿のオアシスだろうか?人の進入など許されぬ聖域に思えた。 トンボの群れる山頂をあとにして尾根を外さぬよう慎重に下った。




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